reCAPTCHA の「課金OFF」設定と 10,000 回制限(2025年8月時点)
GoogleのreCAPTCHAをWordPressで使うときに気になるのが「無料枠」と「課金設定」。
ここでは、課金をOFFにした状態で10,000回を超えた場合どうなるのか、その設定方法と注意点を整理しました。
1. Classic reCAPTCHA(従来版)
- 初期状態で「課金OFF」
- 月10,000回まで無料
- 10,000回を超えると、自動的に機能が停止(課金はされない)
👉 確認方法
- reCAPTCHA管理画面にログイン
- 自分のサイトを選択
- 「今月の利用回数」をチェック
2. reCAPTCHA Enterprise(Google Cloud 版)
- デフォルトでは 課金が有効 になっている
- 無料で使いたい場合は「課金OFF」の設定が必要
reCAPTCHA EnterpriseはGoogle Cloudのサービスなので、課金は プロジェクトに紐づく請求アカウント を通じて発生します。
つまり、「予算とアラート」で請求が走らないように制御するのが実際の手順になります。
reCAPTCHA Enterprise 課金OFFの設定手順
- Google Cloud Console にログイン
- 左メニューから「IAMと管理」>「割り当て」をクリック
- 「reCAPTCHA Enterprise API」を選択し、「CreateAssessment Requests per day」の割り当てを編集
- 新しい上限に333(10,000回÷30日)と入力し、変更を申請
- 承認されれば、1日のリクエストが上限に達した時点でサービスが停止する
効果
- 10,000回を超えると reCAPTCHA Enterprise が 自動停止
- 課金は発生しない
- 停止後はスパム対策が効かなくなるので、代替策(例:Cloudflare Turnstile)を準備しておくことが重要
👉 予算設定は通知機能であり、課金を停止する強制力はありません。
課金を確実に停止させるには、Google Cloudの「割り当て(クォータ)」で利用回数の上限を設定する必要があります。
3. 課金OFFで制限を超えた場合
- 月10,000回を超えると reCAPTCHAが停止
- 課金は発生しないが、スパム対策が無効化
👉 特に影響を受けやすいページ
- ログイン画面 🔐
- 会員登録フォーム 📝
- お問い合わせフォーム 📩
- ネットショップの注文画面 🛒
4. カウントの仕組み
カウントは ページ表示ではなく判定処理が走った時 に行われます。
- v2 → チェックボックスを押したとき
- v3 → 自動スコア判定が走ったとき
代表例:ログイン、フォーム送信、商品購入、パスワード変更
5. 使用量の管理方法
- 管理画面で「月間評価数」を確認
- 1日の平均を計算して、月末までの見込みを把握
- 8,000回でアラート設定しておくと安心
6. 制限に近づいた時の対策
- 重要ページだけにreCAPTCHAを設置
- 自分やテスト環境のアクセスは除外(IP制御など)
- 代替スパム対策を併用
代表的な選択肢:
- Cloudflare Turnstile(無料/Contact Form 7公式推奨)
- Akismet
- WAF(Web Application Firewall)
7. まとめ
- Classic版 → 最初から課金OFF、10,000回超で停止
- Enterprise版 → 課金を無効化しないと課金発生の可能性あり
- 停止後はスパムに弱くなるので、代替策の準備が必須
- 毎月の「使用量チェック&アラート設定」をルーティンに
👉 長期的には Cloudflare Turnstileへの移行 がおすすめ。
完全無料で課金リスクもなく、安心して運用できます。