ウェブサイトの門番「reCAPTCHA」のお話:無料と有料、そして気を付けること(2025年8月版)
インターネットでウェブサイトを使っていると、たまに「あなたはロボットではありません」というチェックや、知らない間に「人間だ」と判断されていることがあります。これはGoogleの「reCAPTCHA(リキャプチャ)」という、ウェブサイトを悪いロボット(スパム)から守るための大切な仕組みです。
今回は、このreCAPTCHAが「無料でどこまで使えるのか」と「もし無料の範囲を超えたらどうなるのか」について、わかりやすく説明します。
1. 古いタイプの門番「Classic reCAPTCHA」の場合 🕵️♂️
昔からある「Classic reCAPTCHA」は、最初から「無料」で使えるようになっています。
- 課金はオフ: 特別な設定をしなくても、お金がかかる心配はありません。
- 月10,000回まで無料: 1ヶ月に10,000回までなら、ウェブサイトの安全を守ってくれます。
- 10,000回を超えると停止: もし10,000回を超えてしまうと、reCAPTCHAは一時的にお仕事を止めてしまいます。
確認方法:
Google reCAPTCHAの管理画面で、自分のウェブサイトの「今月の利用回数」を確認できます。
2. 新しいタイプの門番「reCAPTCHA Enterprise」の場合 🚀
新しく登場した「reCAPTCHA Enterprise」は、とても高性能ですが、使うには「Google Cloud Console」という場所で設定が必要です。
- 課金をオフにする必要あり: 初期値のままだと課金される設定になっていることが多いので、自分でお金がかからないように設定を変更する必要があります。
- 設定の手順:
- Google Cloud Consoleにログインします。
- 使っているプロジェクトを選びます。
- 「お支払い」の項目から、課金を無効にする設定を行います。
3. 「課金オフ」で制限を超えたらどうなるの? 😱
門番(reCAPTCHA)の設定が「課金オフ」のままで、月10,000回の制限を超えてしまうと、reCAPTCHAは完全に停止してしまいます。
- 機能が停止: 「私はロボットではありません」というチェックが出なくなったり、自動で人間かどうかの判断ができなくなったりします。
- スパムの危険性: お金はかかりませんが、悪いスパムロボットたちがウェブサイトに簡単に侵入できるようになってしまい、危険が増します。
特に影響を受けやすい場所:
- ログイン画面(知らない人がログインする可能性が増す)
- お問い合わせフォーム(迷惑なメッセージがたくさん届く可能性)
- ネットショップの注文画面(いたずら注文の可能性)
4. いつ「1回」と数えられるの? ➕
ウェブサイトを表示しただけではカウントされません。reCAPTCHAが実際に「この人はロボットじゃないか?」とチェックした時に1回と数えられます。
例:
- ログインボタンを押した時 🔐
- お問い合わせフォームを送信した時 📝
- ネットショップで商品を購入した時 🛒
- パスワード

reCAPTCHAの管理画面で月間評価数(利用回数)を定期的に確認しましょう。
- 1日あたりの平均使用量から月末までの総利用回数を予測し、上限に近づいていないか把握します。
- 例えば、8,000回でアラートが通知されるように設定しておくとを変更した時
上限到達前の対策が可能です。
「ロボットではありません」のチェックボックスを押した時や、自動で判断するタイプのreCAPTCHA(6. 制限に近づいたとき)の対策が「人間だ」と判断した時にカウントされます。
5. どれくらい使っているか知るには? 📊
毎月、reCAPTCHAの管理画面で「今月、何回使われたかな?」という「月間評価数」をチェックしましょう。
- 1日あたりの平均使用回数を計算して、月末までに10,000回を超えそうか見込みを立ててみましょう。
- 8,000回くらいになったら「もうすぐ制限に近づくよ!」と教えてくれるアラート(警告)を設定しておくと安心です。
6. 制限に近づいたらどうすればいい? 🚨
reCAPTCHAが停止する前に、いくつか対策を考えておきましょう。
- 大切なページだけ使う: お問い合わせフォームやログイン画面など、特にスパムを防ぎたい場所にだけreCAPTCHAを設置します。
- 自分は数えない: ウェブサイトを管理している自分や、テストでアクセスする分はカウントされないように設定することもできます。
- 別の門番を使う:
- Cloudflare Turnstile(クラウドフレア ターンスタイル): これは、WordPressの公式でもおすすめされている、無料でたくさん使える別の門番です。
- Akismet(アキスメット)やWAF(Web Application Firewall): これらもスパムを防ぐための別のツールです。
7. まとめ
- Classic reCAPTCHAは最初から無料ですが、reCAPTCHA Enterpriseは自分で「お金払わないよ!」と設定する必要があります。
- 月10,000回を超えると、どちらのreCAPTCHAもお仕事を止めてしまいますが、お金はかかりません。
- お仕事を止めてしまうと、スパムロボットに狙われちゃうので、他の門番を用意しておくのが大事です。
- 毎月、お仕事の量を見て、アラートを設定するのを忘れずに!
一番安全にウェブサイトを守りたいなら、Cloudflare Turnstileという別の門番を使うのが、とても安心です!