年金機構のXML「増減内訳書」が開けない!Excelのデータ読み込みで一発解決する手順

昨日の相談及び対応事例をメモしておきます。

問題

日本年金機構やe-Govから電子送付された「被保険者資格取得・喪失(増減内訳書)」などのXMLファイル。

ダブルクリックしたらWebブラウザ(EdgeやChrome)が起動したのに、画面が真っ白、または暗号のような文字の羅列で内容が確認できず、途方に暮れていませんか?

「自分のPCのアプリ設定に問題があるのではないか」「スキルが足りないせいでは」と悩みがちですが、問題はあなたのPCのせいではなく、「官公庁のファイルと、現在の最新PC環境の相性」にある場合がほとんどです。入札関係など、未だに「古いバージョンのブラウザでしか動かない」システムが残っていることもあり、一般の事務担当者を混乱させています。

今回の年金機構のXMLファイルも、その典型的な問題の一つでした。

これは、公文書を開くための公式手順です。ブラウザでの閲覧に失敗した方は、ぜひこの方法をお試しください!

1. なぜXMLファイルはブラウザで開けないのか?

送られてきたXMLファイルを開けない原因は、以下の仕組みにあります。

  • XMLファイル(例:増減内訳書_..._.xml:公文書の生データ本体。
  • XSLファイル(例:kagami.xsl:XMLデータを、人が読める表形式に変換するための設計図(スタイルシート)。

本来、WebブラウザがこのXMLとXSLを同時に読み込んで公文書を表示するのですが、Windows 11などの最新のPC環境やブラウザのセキュリティ設定により、XSLファイルが正しく読み込まれないことが多々あります。その結果、画面が真っ白になったり、データ(暗号化された長い文字列)の羅列になってしまうのです。

2. ExcelのXMLインポートで一発解決!

ブラウザでの閲覧に失敗したら、XMLとXSLの連携を最も得意とするExcelの「データの取得」機能を使うのが正解です。ExcelがXSLを自動で認識し、複雑なデータを正確に表として変換(インポート)してくれます。

この解決策のメリットは、古いブラウザや特定のプラグインをインストールする必要がなく、すでにPCに入っているExcelを使うだけで解決するという点です。

【準備】XMLファイルとXSLファイルを同じ場所へ!

必ず、以下の2つのファイルを同じフォルダ(例:デスクトップ上の新しいフォルダ)に置いてください。

  1. 公文書本体: 増減内訳書_令和○年○月分.xml など
  2. スタイルシート: kagami.xsl など(「親展 要 kagami.xsl」と記載があるファイル)

3. XMLファイルをExcelで開く正確な手順(Windows 11版)

ファイルを開きたいXMLファイルをダブルクリックせずに、以下の手順でExcelに読み込ませます。

  1. Excelを起動し、新しいブックを開く。
  2. 上部メニューから 「データ」 タブをクリック。
  3. 左側にある「データの取得と変換」グループの 「データの取得」 をクリックし、メニューから「ファイルから」→ 「XMLから」 を選択します。
  4. ファイル選択ウィンドウが開いたら、手順2で同じフォルダに移動させたXMLファイル(例:増減内訳書_..._.xml)を選択し、「インポート」をクリックします。
  5. Excelが自動的に同じフォルダ内の kagami.xsl を適用します。「ナビゲーター」画面が表示されるので、プレビューを確認して 「読み込み」 をクリックします。

これで、公文書の内容が、項目ごとに分かれた綺麗な表形式でExcelシートに展開されます。これで、もう迷わずデータ確認ができます!

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