reCAPTCHA の「課金OFF」設定と 10,000 回制限(2026年4月時点)

GoogleのreCAPTCHAをWordPressで使うときに気になるのが「無料枠」と「課金設定」。
2024年8月の仕様変更・料金改定、そして2025年末の移行期限を踏まえて、現在の体系と、課金をOFFにした状態で10,000回を超えた場合どうなるのか、その設定方法と注意点を整理しました。


⚠️ まず知っておきたい:2025年末に Classic キーは廃止されます

2024年8月以前に登録した reCAPTCHA Classic(旧管理画面で発行したキー)は、2025年末までにGoogle Cloudプロジェクトへの移行が必須です。移行しない場合、Googleが自動でプロジェクトを作成して移行しますが、課金アカウントが未設定のまま移行されると、無料枠を超えた時点でreCAPTCHAが無効化されます。

自分で手動移行しておくことを強くおすすめします。

また、2025年現在、新規にClassic キーを追加することはできません。
新規キーはすべて Google Cloud 上(新体系)で発行します。


1. 現在の reCAPTCHA の体系(3ティア)

2024年8月の改定により、reCAPTCHA は以下の 3つのティア(段階) に整理されています。

ティア課金設定月間無料枠超過時の動作
Essentialsなし(課金未設定)10,000件エラーを返して停止(課金なし)
Standardあり(課金設定済み)10,000件10,001〜100,000件:月額$8定額
Enterpriseあり(大量利用)10,000件100,001件〜:1,000件あたり$1

ポイントは以下の3点です。

  • 課金設定をしていない = Essentials ティア。10,000回を超えるとエラーを返して停止するだけで、課金は一切発生しません。
  • 課金設定をする = Standard ティアに自動アップグレード。10,000回を超えると有料になります。
  • 10,000回の無料枠は「組織全体」での合算です。複数サイトを同一Googleアカウントで運用している場合、すべてのサイトの合計でカウントされます。

2. 課金OFFのまま(Essentials)で 10,000 回を超えたら?

課金設定をしていないEssentialsティアでは、月10,000回を超えた時点で reCAPTCHAがエラーを返して停止します。

  • ✅ 課金は発生しない
  • ❌ スパム対策が無効になる
  • ❌ フォーム送信・ログインなどが保護されなくなる

なお、超過はその月限りです。月が変わって1日になると自動リセットされ、また10,000回まで無料で使えます。

停止時に影響を受けやすいページ

  • お問い合わせフォーム
  • ログイン画面
  • 会員登録フォーム
  • ネットショップの注文・決済画面

3. 課金ONにするとどうなる?(Standardティア)

Google Cloud プロジェクトで課金設定を有効にすると、Standardティアに自動アップグレードされます。

  • 10,000件まで:無料
  • 10,001〜100,000件:月額$8(定額)
  • 100,001件以上:自動でEnterpriseティアに移行し、1,000件あたり$1

月末に10,001回を超えてしまった月だけ$8が請求され、翌月はまたEssentialsと同じ無料枠からスタートします(リセット)。

💡 課金設定 ≠ 青天井に課金される、ではありません。
多くの中小サイトは月10,000回に届かないため、課金設定をしていても実際の請求は$0が続くケースがほとんどです。


4. 「課金OFF」を維持したい場合の正しい設定

課金を発生させたくない場合、答えはシンプルです。

→ Google Cloud プロジェクトの課金設定を「有効にしない」まま使う(Essentials のまま)

これだけで、10,000回を超えてもreCAPTCHAが停止するだけで課金は一切発生しません。クォータを手動で変更する必要はありません。

ただし以下の点に注意してください。

⚠️ 予算アラートは「通知」であり、課金を止める強制力はありません。
課金設定を有効にした状態で費用を制限したい場合は、Google Cloud の「割り当て(クォータ)」で上限を設定するか、アラートを早めに設定して手動で対応する必要があります。


5. カウントの仕組み

10,000回のカウントはページ表示ではなく、判定処理(評価)が走ったときに加算されます。

バージョンカウントのタイミング
v2チェックボックスが押されたとき
v3自動スコア判定が走ったとき

代表的なカウントシーン:ログイン、フォーム送信、商品購入、パスワード変更


6. 使用量の確認方法とアラート設定

確認方法

  1. Google Cloud Console にログイン
  2. 左メニューから「セキュリティ」→「reCAPTCHA」を選択
  3. 対象のキーを選択し、「月間評価数」を確認

1日の平均回数×残り日数で月末の見込みを把握しておくと安心です。

アラート設定のすすめ

8,000回に達した時点でアラートを受け取る設定をしておくと、残り2,000回の余裕があるタイミングで気づけます。Google Cloud の「Cloud Monitoring」でしきい値通知を設定しましょう。


7. 10,000回に近づいたときの対策

① reCAPTCHAを重要ページだけに絞る

すべてのページではなく、フォームやログインページなど本当に必要な箇所だけに設置することで、消費回数を大幅に削減できます。

② 自分のアクセスや開発環境を除外する

自分のIPアドレスやテスト環境からのアクセスもカウントされます。IPフィルタリングなどで除外しましょう。

③ 代替スパム対策を併用・移行する

サービス料金特徴
Cloudflare Turnstile完全無料・無制限Contact Form 7 公式推奨。UX良好。
Akismet個人無料/商用有料WordPress標準のスパム対策
WAFサーバーによるサーバーレベルでのブロック

8. まとめ

項目内容
Classic キー2025年末に廃止。早めにGoogle Cloud移行を。
Essentials(課金なし)10,000回超で停止。課金は発生しない。
Standard(課金あり)10,000回超から月$8。翌月リセット。
無料枠の集計単位組織全体の合算(複数サイトに注意)
課金OFFの方法課金設定を有効にしなければOK(クォータ変更は不要)
アラートの注意点予算アラートは通知のみ。強制停止力はない。
長期的なおすすめCloudflare Turnstile への移行(完全無料・無制限)

毎月の「使用量チェック&アラート設定」をルーティンにしておくと安心です。
長期的には Cloudflare Turnstile への移行がおすすめ。完全無料・回数無制限で、課金リスクもなく安定して運用できます。


最終更新:2026年4月 365デザイン